執筆者から、より魅力的でパワフルな原稿が届いておりました。ここに差し替えさせていただきます。

編集委員会の不手際により、執筆者の原稿の扱いに無礼がありましたことを深くお詫び申し上げます。




~オーレ・アンダーソン氏を訪ねて~


その夏は体温に近い猛暑が続いていた。
2010年8月22日JID関西事業支部の会員とその仲間たち7名は関西国際空港からフィンランド・ヴァンター空港へ飛び立った。
ヴァンター空港でJID関東支部大槻氏が合流し、スウェーデン・ヨーテヴォリ空港へ向かった。

そこにはインテリア・インダストリアルデザイナーとして著名なオーレ・アンダーソン氏とその奥様にミニバスで出迎えて頂き、80km程南に位置する小さな町ファルケンベルグにあるホテルに到着した。中に入ると小さなホールがあり骨董品などが並べられアットホームでありながら歴史を感じさせる空間が続いていた。


23日、オーレ氏のサマーハウスで開かれるスウェーデン伝統のザリガニパーティーに招かれた。そこにはオーレ氏の友人が参加されていて、どなたも各業界で著名な方々だった。

パーティーが始まる前に馬小屋をリノベーションしたアトリエの広い部屋で私が紋付袴姿で居合の演武を披露することになっていたのだが、着替える時案内された部屋がオーレ氏のプライベートなベッドルームであったことと、北欧では全ての部屋がオープンでどの部屋もきちんとルームメイキングされ、美しく飾られていたことに驚いた。

演武に入る前に居合いについて説明してくださった塚口さんの多大なご尽力に感謝し、小宮さんの協力もあり無事終えることができたことに安堵した。

パーティーはスープとザリガニ料理とビールというシンプルな内容だったが、蝋燭のあかりで演出された部屋とオーレ氏を始め皆さんのエンターテイメントで、気がつくと古くからの友人といるような親しさを感じるとても楽しいひと時であった。


24日、オーレ氏がデザイナーとして仕事を始めたホワイト事務所(スタッフ400名を抱える設計事務所)を見学させて頂いた。そこで驚かされたのは仕事をしているスタッフの方々のとてもリラックスした様子だった。このような雰囲気だからこそ楽しい設計が出来るのであろうと実感した。


25日、古い漁師の村で岩盤に寄り添うように建つ木造の小さな建物が並ぶ古き良き時代が残る岩の島スモーゲル島を訪問。


26日、ヨーテヴォリ空港からフィンランド・ヴァンター空港へ。そして小宮さんが運転するミニバスでヤルヴェンパーに向かい、27~28日にはアールトの建築で有名な都市ユバスキュラ、パイミオの結核サナトリウム、フィンランド南西部の町ナーンタリなどを訪れた。


29日、八十さんの案内で古いレンガ造りの工場跡をアーティスト達がアトリエにリノベーションし栄えているフィスカス芸術村を見学。

静けさの中に古建築郡の存在感が時間を忘れさせてくれる不思議な空間であった。

その後、木工家カリ・ビルタネン氏の自宅を訪れ、バーベキューパーティーで歓迎して頂いた。


30日、ヘルシンキへの道中アールト設計のオタニエミ工科大学を訪問し、その後、小宮さんは1日早く帰国された。26日にヴァンター空港についてからここまでとても長い道のりをひとりで運転してくださった小宮さんに感謝!


31日、マリメッコ工場などを見学し、毎日が寒くセーターにブレザー、コートが手放せなかったフィンランドに別れを告げ帰路に着いた。